昨日読んで気になっていたエントリーのブクマ

昨日読んで気になっていたエントリーのブクマが翌日になってかなり大勢の方方に共鳴されていてふ〜ん、と思った話。
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.encount.net/rettou/2_4792.php


共感を呼んでいる「労働をして納税をし社会人たれ」という上司さんのお言葉。これは深そうで浅い。
基本的に資産家は労働をしないだろうし、それ以外の人でも納税を忌避する行動は一般的であります。
また、サラリーマンに納税の意識を持てというなら、給料からの天引きを遍く廃止すべきであり、自ら進んで納税コストを引き受けなければなりません。
それはそれで納税意識をサラリーマンに持たせると過度に国政や選挙への関心が高まってしまうのではないかという徴税する政府側の思惑を葬る事ができて良いこともあります。
ただし、労働も納税も避けて私益にひた走る人は社会人たりえないというよくある認識。この認識は短絡すぎなのではないかと思うのです。


そして企業に正社員として所属して労働し納税している「社会人」というのは最早一般的でなく、派遣の人もいればパートもいれば資産家もいるというのが現状なのではないでしょうか。
そういう階層化しさらに流動化している状況下で自分がよりよい条件を求めていけば、相対的に他人や社会一般の利益への関心が低まるのは当然で、それが現実なのではないかと。

私益を追求せず由来が不明で公共的とされる義務を果たす事を産経あたりの記事はよく賛賞するのですが、そういったお考えはうんざりです。


よくある例として安倍前総理がボランティア活動の義務化を提唱していたことです。この「皆同じ日本人。同じ釜の飯を食い私益を求めず奉仕しよう」というような共同性に価値を見出そうとして、現実の流動化や階層化には目を瞑るという傾向。こういう傾向に、何と言うか、不誠実さに腹が立ちます。


個人的には現実の流動化や階層化は止められないと思うので、それを認めたうえで同時に「公益的な義務を果たす」的な思わせぶりなお言葉は勘弁してほしいと思うのです。