男女共通のお便所

『19歳』から『宣告』を知ってその死刑小説の分厚い本を取り寄せる。なかなか面白いではないか。登場人物は実在していた死刑囚をモデルにしている。まだ読みはじめなので楠本他家雄、砂田、安藤、大田、垣内くらいをこいつは誰だと推測しながら読み進めている。他家雄はこれですね。砂田が凄い。彼は物語の中でも安藤にセクハラまがいのちょっかいを出しているのだが、複数名を殺害し強姦している。(これ)おそらく強烈な性欲の持ち主と思われる。ちなみ安藤は男だが、女子がいない拘置所において、若く肌がきれいな安藤に欲求してしまうのだろうか。切ない。その安藤はコレ。安藤もヘンタイだったのね。この安藤こと坂巻脩吉が犯した鏡子ちゃん殺人事件。学校の「お便所」で少女が殺害されたこの事件に社会は震撼させられたと。そして行政は次の対応をとったらしい。

・学校長は男女のトイレは別にすること
・トイレに入った時は必ず戸をしめるように学童に注意する。
・来賓と学童のトイレは別にすること。
・授業のない教職員は小使とともに校内を巡視すること。
・外来者の出入りは必ず教職員、小使が見られる通路を通るようにすること。
・学校の垣根や柵を厳重にし、無闇に外来者が出入りできないようにすること。

・学校長は男女のトイレは別にすること
凄い!ジェンダーフリー状態だったんですね。1950年代。小学2年ですから男女に分ける必要が無いとも有るともいえない。まあ設備投資予算の問題もあったのでしょうが、昔は意外と長閑だった。まあこれもネオコンからすれば戦後レジームの悪しき慣行の始まりだったのでしょうか。