身内への犯行は意外と寛容

光市の事件の裁判があれだけ盛り上がってしまうのは事件自体の悲劇性もあろうし、弁護団や被告人の言動もあるのだろうけど、事件自体の悲劇性について言えば特殊極まりないとまではいえなくて、この事件だけに熱を上げる理由にはなり難いと思うのだ。例えば奈良の医者の息子(当時高校生)が自分の家に放火して家族3人を焼死させた事件について厳罰に処せといった世論は沸き起こらなかったし、むしろ犯行少年は父親のスパルタ教育の被害者として認識されていたような印象がある。でも、この事件も母子3人を焼死させているわけで(焼死ってかなり恐怖だし悲惨だと思う)成人ならば死刑は免れないと思うのだが、意外と憎悪感情が沸き起こらない。
あと、つくば母子殺人事件ていうのがあって、これも医者の夫が妻と子供計3人を殺害して海に捨てた。これも酷い事件だが無期が確定している。
まあ、両者の事件は身内のイザコザによる犯行なのだが、世間って意外と身内どうしの犯行については寛容なのかなという気はする。一方、光市の事件のように他人のうちの利益を侵害するような、それによって社会一般を不安にさせるような事件については容赦ないというか非寛容。当たり前だけど。でも、どれも人が死んでいるわけで、特に子供は住む家を選べないわけで、家族がマーダーだったんだからしょうがないね、ついてなかったね、とかで済まされているとしたら変な話だ。